あなたは出会い・マッチングアプリを使っていますか?もしくは、使ってみようと思っていますか?
アプリは、恋愛や婚活のツールとして多くの人に利用されています。しかし、その一方で、出会い・マッチングアプリを通じて詐欺や犯罪の被害に遭う人も少なくありません。
この記事では、アプリでの詐欺被害の実態や手口、関連する法律、被害者がとるべき対応策について解説していきます。出会い・マッチングアプリを安全に楽しく使うために、ぜひ参考にしてください。
出会い・マッチングアプリでの詐欺被害の実態
出会い・マッチングアプリは、インターネット上で相手の素性が分からないままやり取りをすることが多いため、詐欺師や犯罪者にとって格好の狩場となっています。国民生活センターによると、2018年度にマッチングアプリを含む出会い系サービスに関する相談は1,143件にのぼり、そのうち詐欺や犯罪に関するものは約4割を占めています。
アプリでの詐欺被害には、さまざまな手口がありますが、大きく分けると以下の2種類に分類できます。
- アプリ内でのやり取りを通じて金銭や個人情報をだまし取るもの
- アプリで出会った相手と実際に会ってから金銭や商品をだまし取るもの
それぞれの詐欺手口について、具体的な例を見ていきましょう。
アプリ内でのやり取りを通じて金銭や個人情報をだまし取るもの
このタイプの詐欺は、アプリ上でメッセージのやり取りをするだけで被害に遭ってしまうことが特徴です。詐欺師は、相手の恋愛感情や信頼感を利用して、金銭や個人情報を要求してきます。
代表的な手口としては、以下のようなものがあります。
- サクラサイトへの誘導:ほかの出会い系サイトやアプリに登録させ、高額な利用料金をだまし取る
- 副業詐欺:「誰でも稼げる」と持ちかけ、高額な情報商材や投資ツールなどを販売する
- 恋愛詐欺:結婚や交際をほのめかし、借金や病気などの名目で金銭を要求する
- 個人情報詐欺:連絡先やSNSアカウントなどの個人情報を聞き出し、脅迫や詐欺に利用する
これらの手口は、出会い・マッチングアプリの規約違反にあたりますが、詐欺師は偽のプロフィールや写真を使って相手を騙すことができます。また、個人的な連絡先を交換した後のやり取りは、アプリ運営側が管理できないため、判断が難しい場合もあります。
アプリで出会った相手と実際に会ってから金銭や商品をだまし取るもの
このタイプの詐欺は、アプリで出会った相手と実際に会ってから被害に遭うことが特徴です。詐欺師は、デートや飲み会などの名目で相手を呼び出し、高額な代金や商品をだまし取ります。
代表的な手口としては、以下のようなものがあります。
- ぼったくり:デートを装ってぼったくりの店に呼び出し、高額な代金を請求する
- デート商法:デートを装って呼び出し、高額な商品やサービスを購入させる
- マルチ商法:自社商品の販売員として勧誘し、商品を友人や知人に売らせようとする
これらの手口は、刑法や消費者契約法などの法律に違反する場合がありますが、警察や消費者センターに相談しても、当事者間のトラブルとみなされて解決が困難な場合もあります。また、精神的なダメージや二次被害の恐れもあります。
出会い・マッチングアプリでの詐欺被害に遭った場合の対処法
マッチングアプリでの詐欺被害に遭ってしまった場合、どうすればよいのでしょうか?ここでは、被害に遭ったときにとるべき対処法を紹介します。
国民生活センターに相談する
マッチングアプリでの詐欺被害に遭った場合、まずは国民生活センターに相談することをおすすめします。国民生活センターは、消費者の権利や利益を守るための相談窓口で、インターネットや電話で無料で相談できます。
国民生活センターでは、相談内容に応じて、次のような対応をしてくれます。
- 被害の実態や法的な見解を説明する
- 被害の回復や解決のための方法や手続きをアドバイスする
- 被害の防止や予防のための情報を提供する
- 必要に応じて、専門機関や弁護士などに紹介する
国民生活センターに相談する際には、以下のような情報を用意しておくとスムーズです。
- 被害に遭った日時や場所
- 被害に遭った経緯や内容
- 被害の金額や支払い方法
- 被害者や加害者の氏名や連絡先
- 被害に関する証拠や資料
国民生活センターの相談窓口は、以下の通りです。
電話:0570-064-370(ナビダイヤル)
インターネット:[国民生活センターのホームページ]から相談フォームにアクセス
受付時間:月曜日から金曜日の9時から17時(祝日、年末年始を除く)
警察に被害届を提出する
マッチングアプリでの詐欺被害に遭った場合、国民生活センターに相談した後、警察に被害届を提出することも検討してください。被害届とは、犯罪の被害に遭ったことを警察に届け出ることで、警察が捜査や逮捕などの法的な措置をとることができるようになるものです。
被害届を提出することには、以下のようなメリットがあります。
- 被害者の権利や利益を守ることができる
- 被害者の心理的な安心感や回復を促すことができる
- 加害者の再犯防止や社会的な抑止力になることができる
- ほかの被害者の発見や救済につながることができる
被害届を提出する際には、以下のような情報を用意しておくとスムーズです。
- 被害に遭った日時や場所
- 被害に遭った経緯や内容
- 被害の金額や支払い方法
- 被害者や加害者の氏名や連絡先
- 被害に関する証拠や資料
被害届の提出先は、最寄りの警察署です。(最寄りでなくてもかまいません)
被害届の提出は、24時間365日受け付けています。また、電話やインターネットでの相談も可能です。
電話:110番(緊急通報)または警察署の電話番号
インターネット:[警察庁のホームページ]から相談フォームにアクセス
出会い・マッチングアプリでの詐欺被害を防ぐための予防策
出会い・マッチングアプリでの詐欺被害に遭わないためには、予防策をとることが重要です。ここでは、アプリを利用する際に注意すべきポイントを紹介します。
アプリ内でのやり取りを通じて金銭や個人情報をだまし取るものに対する予防策
アプリ外でのやり取りには応じない
アプリ内でのやり取りは、アプリ運営側が管理できる範囲内ですが、アプリ外でのやり取りは、詐欺師にとって都合のいい環境です。アプリ外でのやり取りを求められた場合は、断るか、アプリ運営側に通報しましょう。
金銭や個人情報の要求には応じない
アプリで出会った相手に対して、金銭や個人情報の要求には応じないことが大原則です。相手がどんなに信頼できると思っても、詐欺師は巧妙に相手の感情を操作します。金銭や個人情報の要求には断固として拒否しましょう。
サクラサイトや副業詐欺には注意する
アプリで出会った相手が、ほかの出会い系サイトやアプリに誘導したり、簡単に稼げると持ちかけたりした場合は、サクラサイトや副業詐欺の可能性が高いです。これらのサイトやアプリに登録すると、高額な利用料金や商品代金を請求されたり、個人情報が悪用されたりする恐れがあります。サクラサイトや副業詐欺には絶対に応じないでください。
恋愛詐欺には注意する
アプリで出会った相手が、結婚や交際をほのめかしたり、愛情を示したりした場合は、恋愛詐欺の可能性があります。恋愛詐欺師は、相手の恋愛感情を利用して、借金や病気などの名目で金銭を要求します。恋愛詐欺には、相手の言葉に惑わされず、冷静に判断しましょう。
アプリで出会った相手と実際に会ってから金銭や商品をだまし取るものに対する予防策
初めて会うときは公共の場所にする
アプリで出会った相手と初めて会うときは、公共の場所にしましょう。公共の場所とは、人目があり、周囲の音が聞こえるような場所です。公共の場所であれば、万が一のときに助けを求めやすくなります。また、相手の自宅や車、ホテルなどには絶対についていかないでください。
ぼったくりやデート商法には注意する
アプリで出会った相手が、デートや飲み会などの名目で呼び出した場合は、ぼったくりやデート商法の可能性があります。ぼったくりやデート商法とは、相手が関係する店や会社に連れて行き、高額な代金や商品をだまし取る手口です。ぼったくりやデート商法には、相手の誘いに応じないか、事前に店や会社の情報を調べておきましょう。
マルチ商法には注意する
アプリで出会った相手が、自社商品の販売員として勧誘したり、商品を友人や知人に売らせようとしたりした場合は、マルチ商法の可能性があります。マルチ商法とは、商品の購入や販売を通じて、加入者や紹介者に報酬を支払うという仕組みのビジネスです。マルチ商法には、相手の話に乗らないか、事前に商品や会社の情報を調べておきましょう。
まとめ
出会い・マッチングアプリは、恋愛や婚活のツールとして便利ですが、詐欺や犯罪の被害に遭う危険もあります。アプリを利用する際には、以下のことを心がけましょう。
アプリ内でのやり取りを通じて金銭や個人情報をだまし取る詐欺には、アプリ外でのやり取りに応じない、金銭や個人情報の要求に応じない、サクラサイトや副業詐欺、恋愛詐欺に注意する。
アプリで出会った相手と実際に会ってから金銭や商品をだまし取る詐欺には、初めて会うときは公共の場所にする、ぼったくりやデート商法、マルチ商法、性犯罪に注意する。
詐欺被害に遭った場合は、国民生活センターに相談する、警察に被害届を提出する。
出会いマッチングアプリでの詐欺被害は、予防や対処ができるものです。この記事を参考にして、アプリを安全に楽しく使ってください。